【本日の名言】「孤独は知恵の最善の乳母である」とはドイツの哲学者・シュティルナー(マックス・シュティルネル）による代表的な著書『唯一者とその所有』に出てくる言葉であるがその意味・解釈・教訓とは？シュティルナーとはどんな人物だったのか？シュティルナーの個人主義的無政府主義とは？最後は孤独の中で餓死してしまったというシュティルナーの思想とは？
目次
「孤独は知恵の最善の乳母である 」の意味・解釈・教訓とは？
この言葉の出典は、
ドイツの哲学者マックス・シュテルナー（シュティルネル）の著書である
『唯一者とその所有』に書かれている言葉である。
孤独は知恵の最善の乳母（母）である。
の意味や解釈とは？
『孤独』な状態こそが、物事に関して深く考えを巡らせ、思考・創造・想像を育ててくれる最善の状況であるということ。
『孤独』といえばネガティブなイメージがあるかもしれないが、必ずしも孤独はマイナスなことではない。
孤独でいるという状況こそが、頭（知恵）を働かせるチャンスなのかもしれない。
確かに、普段、わちゃわちゃと人が周りにいる状況では自分自身のことに関してなかなか深く考えを巡らせることは難しいだろう。
しかし、孤独という状況の中では物事に関して静かに筋道立てて適切に道理に沿って考えることができるだろう。
哲学的な孤独の考え方とは？
- シュティルナーに影響を受けたと言われる哲学者・ニーチェは『孤独』に関してこう言っている
「孤独を味わうことで人は自分に厳しく、他人に優しくなれる。いずれにせよ人格が磨かれる」
- ドイツの作家ヘッセ（ヘルマン・ヘッセ）は『孤独』に関してこう言っている
「人生とは孤独であることだ」
- 古代ローマの政治家・文人・哲学者キケロ（シセロ）によると孤独は
「私が孤独であるとき、私は最も孤独ではない」
- ノルウェーの劇作家・イプセン
「この世の中で一番強い人間とは、孤独で、ただ一人で立つものなのだ」
【本日の名言】この世で最も強い人間は孤独の中でただ一人立つ人間だby イプセンとはどんな人物？どんな意味・解釈・教訓とは？
ドイツの哲学者・シュティルナーとはどんな人物？
Max Stirner（マックス・シュティルナー）
別表記：スチルネル、スティルネル、シュテルナー
本名：Johann Kaspar Schmidt （ヨハン・カスパー・シュミット）
1806年誕生〜1856年没（享年49歳）
ドイツの哲学者・ヘーゲル左派・個人主義的無政府主義者
シュティルナーは、あらゆる外的権威を排し、何者にも縛られない『唯一者』としての自我の絶対性を主張し、個人の自由を抑圧する国家を否定、極端なエゴイズムを主軸とする哲学を展開し、無政府主義（アナーキズム）に影響を与えた人物である。
シュティルナーは楽器職人の子として生まれ、幼少期から学業は優秀であったという。
1826年〜ベルリン大学で哲学を学び、哲学者ヘーゲルからの影響を大いに受けた、
その後も各地のいくつかの大学で学び、ベルリンに戻ると、女学校の教師をしながらシュティルナーというペンネームで哲学的な著述を多く発表した。
ヘーゲル左派（青年ヘーゲル派）と呼ばれるグループのメンバーの人物らと交流し、無政府主義的な考えが生まれたと考えられている。
理性主義に反対する内容となるシュティルナーの代表作『唯一者とその所有』では、自我主義を徹底的に追求し、唯一の現実は自我であり、自我こそが創造的虚無であるとし、『唯一者』と『その所有者』についての思想を説いた。
シュティルナー自身は、かなりの自由人であったといわれ、無神論者的な振る舞いが多く、そのせいで奇抜な結婚式をおこなったり、商売に失敗するなどして妻に離縁され、教職も追われ、貧困に苦しみ孤独の中で餓死し、遺体の引き取り手もなかったという。
しかし、後世に与えた影響は大きく、シュティルナーによる、自我の絶対性を説いた自我主義は無政府主義者（アナーキズムやアナーキスト）、実存主義などに多大なる影響を与えたとされており、さらにニーチェの「超人」思想にも影響を与えたとされる
他に『反動の歴史』『小論集』などの著作がある
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