【本日の名言】「種まかずして小判も逸歩も生える例なし」とは江戸前期の浮世草子作者・俳人であった井原西鶴(いはらさいかく)による『日本永代蔵(にっぽんえいたいぐら)』に出てくる文言であるが、この言葉の意味・解釈・教訓とは?一昼夜で句を2万以上も詠んだという記録を持ち、『好色一代男』や男色文化など人間の欲を赤裸々に描き出し、江戸当時では異端ともされた作品を多く残した井原西鶴とはどんな人物だったのか?
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目次
【本日の名言】「種まかずして小判も逸歩も生える例なし」の意味・解釈・教訓とは?
この言葉の出典は江戸時代前期の浮世草子作者・井原西鶴(いはらさいかく)による『日本永代蔵(にっぽんえいたいぐら)』より
『日本永代蔵』の内容とは?(「BOOK」データベースより)
生真面目すぎる商人、ドラ息子、度を越した吝嗇たち。越後屋は「現金掛け値なし」で大当たり、一方別の二代目は金を使い込んで勘当、物乞いに説教をくらう。元禄前夜、富を築き、また守らんとあがく庶民の姿を活写した、井原西鶴による町人物浮世草子の大傑作。人間の面白さと、お金の稼ぎ方を教えてくれる、江戸期以来のベストセラー。
種まかずして
小判も逸歩(いっぽ)も生える例なし
この言葉の意味とは
小判(こばん)=金品、金銭、要するに富
逸歩とは
『逸』=並はずれて優れていることを意味するので
並外れた歩み、桁外れの歩、すなわち『躍進』ひいては成功
花を咲かせたり、作物の実を手に入れるには、まずは種を蒔くことが必要となる
それにさらに、水撒きをして雑草を取り、手入れを大事に世話をしてはじめて花を咲かせたり、作物を収穫することができる。
富や成功を手に入れたいと望むのであれば、それと同じで、まずは種を蒔く、準備をきちんとし、さらに、努力をすることで
初めて大輪の花、すなわち富や成功を手にすることができる。
何もしないで、富や躍進を手に入れることはできない。という意味である。
何ごとにおいても、タネをまかずには何も手に入らない。
当然お金も勝手に生まれるわけはない。
何も行動せずになにか利益を得ることはできない
自らはタネもまかず(何もせず)、育てもせず(努力せず)に、実だけを収穫することはできないかを模索している人はいませんか?
簡単に稼げる!何もしなくてもお金が入る!そんなありえない情報に騙されてフラフラしてませんか?
お金や成功などの自己利益だけに限らず
何をするにもまずは行動することが大事。
最初の行動の一歩目ができたなら、あとは自分自身の工夫や努力によって
それが実を結ぶのでしょう。
井原西鶴(いはらさいかく)とはどんな人物?
井原西鶴(いはら さいかく)
本名:平山藤五
別号:鶴永、四千翁、二万翁、松風軒、松寿軒など
1642年大阪で誕生〜1693年没(享年51歳)
江戸前期の浮世草子・人形浄瑠璃作者・俳人
井原西鶴は大阪の商人の家庭に生まれた。
15歳から俳諧(はいかい)を学び、21歳で点者(俳諧で句の採点をする人)となる。
(俳諧とは正当な和歌に対して、滑稽味を帯びた和歌のこと)
目新しい、風俗詩的な句を詠む傾向があったため、阿蘭陀流(オランダ)流、オランダ西鶴などと呼ばれるなど異端視された。
「矢数俳諧(やかずはいかい)」という、
一昼夜に作る句の数を競い合うという趣向の俳諧の興行によって2万3500句の脅威的な独吟記録を打ち立てた
その傍らで、浮世草子(うきよぞうし)を次々に発表した。
(浮世草子とは江戸時代の小説の一種のこと、浮世本。)
『好色一代男』に代表される好色物、武家物、町人物、雑話物など様々なテーマの浮世草子を通して
人間生活を赤裸々に、特に性欲や物欲に支配されていく人間性をいきいきと描き出し、後世の小説にも影響を与えた。
井原西鶴の代表作『好色一代女』『好色五人女』『西鶴置土産』『日本永代蔵』『世間胸算用』『西鶴諸国ばなし』など
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