【本日の名言】「いかなる人間の知識もその人の経験を超えるものではない」とはイギリスの政治思想家・哲学者であるジョン・ロックによって、20年にも渡ってまとめられた『人間悟性論(/人間知性論)』に出てくる言葉であるが、この意味・解釈・教訓とは?名前だけは聞いたことがあるような・・・ジョン・ロックとはどんな人物なのか?について
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目次
「いかなる人間の知識もその人の経験を超えるものではない」の意味・解釈・教訓とは?
この言葉の出典は
イギリスの哲学者・政治学者ジョン・ロックの著書『人間悟性論(/人間知性論)』より
『人間悟性論』とは、人間の知識や観念などは生まれついて持っているものではなく、観念は経験によって得るものだと説いている
「いかなる人間の知識もその人の経験を超えるものではない」
という言葉の意味とは、いかなる人の『知識』
『知識』というものは他の人が経験したことを知識として知ることはできるが
その人の『経験』を超えるものではない。
自分が直接に経験して得ることができるものに勝る知識はない
『経験』はどんな『知識』よりも勝るということ
全ての知識というものは経験に基づいている。知識は結局のところ経験から生ずるものである。
さらにジョン・ロックはこうも言っている
「言われるままに信じるだけの知識はただの切れ端にすぎない」
知性というものはもともとは白紙であり、経験によって知識が生まれる。
短かく言い換えると、「百聞は一見にしかず(ひゃくぶんはいっけんにしかず)」
何回も何回も人から聞くだけよりも、
実際に自分の目で見る方が確実であるということ。
レオナルド・ダ・ヴィンチいわく「知恵は経験の娘である」
ジョン・ロックのその他の名言
- 「読書は単に知識の材料を供給するだけだ。それを自分のものにするのは思考力である。」
- 「美味とは食物そのものにあるのではなく、味わう舌にあるものである」
- 「借り物の概念と教育で植え付けられた偏見を元にした
ありきたりの筋道にあった話をする大人の議論よりも子供達の予期せぬ質問から教えられるところが多い。 - 「新しい意見は常に疑われ、大抵反対される。まだ一般的ではないという理由だけで」
ジョン・ロックとはどんな人物?
John Locke ジョンロック
1632年誕生~1704年没 (享年72歳)
イギリスの哲学者 ・啓蒙哲学と経験論哲学の祖とされるの代表的人物
政治思想家(近代民主主義の政治原理の確立者)
ジョン・ロックはイギリスの小さな村で生まれる。
オックスフォード大学で哲学・医学を学び、デカルトやガッサンティの影響を受ける
シャフツベリー家の秘書となるも、1863年に伯爵の失脚によってオランダに亡命
1689年の名誉革命の成功によってイギリスに帰国
帰国後の余生は思想の著述に費やした。
ジョンロックの哲学思想は、知識は先天的に与えられるものではなく経験から得られるものであり
人間は生まれつき「白紙」状態であるとした。認識の起源は経験にあるとした
この認識論は革新的であるとされた。
ジョン・ロックの代表作『人間悟性論(人間知性論)』は全ての知識は感覚的経験に由来するとして
近世の経験主義的認識論の端緒を見出した
宗教的には人間の知性に基礎を置いた『寛容論』で政治的な意味での信教の自由の確立の基礎づけ
政治論ではホッブズの自然法思想を継承発展させて、王権神授説を批判、家父長主義と専制政治に反対し、政府は各個人の自然権を守るために人々の合意により設立されたものであり、その改廃は国民の手中にある(社会契約による人民主権)と説いて
フランス革命やアメリカ独立革命に大きな影響を与えた人物である。
ロックによる代表的著書『統治二論』『寛容について』『キリスト教の合理性』など