『72時間の壁』って言葉は聞いたことがあるし、防災準備のための非常用の防災グッズや食料の備蓄とかをしよう!ところでどれくらい備えればいいの??と調べると必ず出てくるのが『最低3日分』そして『72時間の壁』という言葉。ところでそれって人間は72時間過ぎるとどうなっちゃうの??水だけで3日は生きられるの?3日後にどうなってしまうの!?など地震などの災害に会う前にサバイバル知識をちょっと深めてみようと調べてみた。
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目次
72時間の壁とか黄金の72時間ってなに?
地震とかの災害が起こるたびに目にするこのセリフというか
このフレーズ
『72時間の壁』
ニュースや新聞で、インパクトがあるのが
扇情的な文字でテレビ画面の右上あたりのテロップで
『72時間の壁迫る!!』
出てるイメージがある。
新聞やネットニュースの見出しでも
『発生から72時間迫る!』
『近づく72時間の壁』
『72時間の壁、無情にも経過』
とか・・・
防災の準備してても目にするし
災害で万が一被害が出た場合に備えて、
防災について調べているとよく
最低3日分を用意しろってあるけど
なんで最低3日分なのかしら・・・?
72時間の壁という言葉もよく聞くけどなぜ72時間なの?
災害時救助の生存率が72時間を境に激減するっていうことらしいけど
英語でも「Golden 72 Hours」(黄金の72時間)っていう言葉があるみたい
災害救助のの一つの目安となっていて、
だから災害用の備蓄食料とか
防災セットの準備も最低3日分とか
ってなってるのをよく目にする・・・って
いやいやそれくらいはなんとな〜く、わかるんだけど
食料も水もない状況で人が生命を維持できるとされる期間の目安って??
72時間で一体何がおこるの??
生存率が下がるってことは
72時間を境に死んでしまう可能性が上がるってことだよね?
それってなんで死んじゃうの?
72時間で人の体はどうなってしまうの!?
なぜ3日分なぜ72時間?科学的根拠はあるのか
まずは、この72時間という数字に科学的根拠はあるのか?
気になるところだけど
これは予想通り、科学的根拠はないらしい。
72時間を超えても生存して救助されたという例はたくさんあるし
逆に72時間以内にも関わらず命を落とした例もある
被害にあった状況、
怪我の状態、個人の体調、潜在能力なども多分に関係するから
72時間をこえたら 必ずしも死んでしまうということではない。
『黄金の72時間』というこの言葉がどこでどう生まれたのかはわからないが
医療における緊急援助の概念で似た言葉に
『ゴールデンタイム』や『プラチナタイム』という言葉がある。
災害だけにかかわらず、なんらかの外傷、怪我を受けた際に
その決定的な治療(処置)を開始するまでの時間が
1時間を境に生死が分かれるという
初期の1時間を『ゴールデンタイム』もしくは、『ゴールデンアワー』と呼び
さらに、その最初期の10分を『プラチナライム』と呼ぶ。
この概念からもわかるように、多くの医療専門家たちは
決定的なケアを早く行うにしたことはないが
必ずしもそのゴールデンアワー神話にとらわれるべきではないという論争がある
Controversy
While most medical professionals agree that delays in definitive care are undesirable, recent peer reviewed literature casts doubt on the validity of the ‘golden hour’ as it appears to lack a scientific basis. The physician Bryan Bledsoe, an outspoken critic of the golden hour and other EMS “myths” like critical incident stress management, has indicated that the peer reviewed medical literature does not demonstrate any “magical time” for saving critical patients. 参考出典:https://en.wikipedia.org/wiki/Golden_hour_(medicine)
これを鑑みると、
災害時になんらかの大きな外傷的なダメージを受けた場合は
適切な治療を1時間以内に受けられるかを境に生存率が下がるようだ。
災害時に
幸いにして生死に関わる怪我をせずに
救出を待っている状況でも72時間というリミットが
あるとされているのはなんでだろうか?
3日間72時間がリミットとされる理由
『脱水症状』
人間が水分を取らずに生きられる限界は3日間(72時間)と言われていて
人は運動やなんらかの活動をしていなくとも
生きているだけで、1日に汗や尿で約1.5リットルの水分を排出。
これと同等以上の水分を補給しないと
体内から水分は減っていくことになります、
水分が足りないとどうなる?何が起こる?
喉の渇きを感じるくらいで
体内の水分が2%失われていると言われ
運動能力が低下しはじめ、
3%で強い渇きになり、頭がぼんやりして食欲不振となり
4%で肌が紅潮、イラつき、体温の上昇、疲労感、尿の減少、濃縮
5%で頭痛、熱でうだる感じ
8~10%で身体の動揺、痙攣などがおこり
20%以上で無尿、死亡
だいたい10%以上の減少で死に至ると言われている
保健体育などの授業で、
人間はほとんど水分でできているって聞いたことがある
人間の水分ってどれくらい?
いわゆる「体液」は人間の体重の何パーセントなの?
新生児で80%
乳児で70%
幼児で65%
成人男性で60%
成人女性で55%
高齢者で50~55%
体重50キロの女性なら約27リットルの水分が体に蓄えられている。
体重80キロの男性なら約48リットルもの水分が体内にあることになる
その水分の役割とは?
摂取した水分が吸収されるのは腸。
そこから血液とかのいわゆる「体液」となり、
全身を常に循環。
なんのために循環するのか?
酸素や栄養分を全身の細胞に届ける
そして、老廃物を排出するための役割を果たすのが体液
汗を出して体温を一定に保つ。
皮膚への血液の循環を増やす体温調節も体液が循環することによってできている
そして新陳代謝がスムーズになるように環境を維持するのも体液の役割
体液が循環することによって我々の生命が維持されている
体液の役割「運搬」「体温調節」「環境維持」
ああ・・・そういえば、なんとなくそんなの
中学校の保健で習ったような気がしてきた!!・・・・
体内の水分量が減るとどうなる?
血液中のナトリウムやカリウム濃度が高く(濃く)なり
心臓を動かす筋肉の収縮がうまく働かなくなり
心筋梗塞や狭心症で死んでしまう
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だから水分補給を適切にしていないと
体温調節もうまくできないし
低体温症や、逆に熱中症などの症状も重くなるということか。
3の法則とは?
サバイバル生存をかけた状況に必要な知識
サバイバルの知識として『3の法則』とか『3・3・3の法則』
“rule of threes”(3の法則)というのがある。
人間の生死をわけるリミットが3という数字で現れているという法則
血流なしでは3秒
空気なしでは3分:人は空気がないと3分しか生きられない。
体温なしでは3時間:恒温動物である人間は適切な体温を維持できなければ、3時間しか生きられない。
水分なしでは3日:水分補給できない場合、人間は3日で死んでしまう。
食料なしでは3週間:水だけを大量に摂取できたとしても食べものがない場合は約3週間〜1ヶ月
ただ、皮下脂肪の量や基礎代謝にもよるので個人差が大きい
もちろん、この3の法則の数字はただの目安でガイドラインで
状況によってこの通りではない、ただ、知っていて損はない知識だ。
その他の災害時72時間リミット説
【感覚遮断】
例えば生き埋めになり、視覚や聴覚などの外部の感覚刺激が遮断された状態では
人間が正常な精神状態を保つことができなくなるとされ
そういった刺激を感覚が受けとめなくなった状態、感覚遮断では
想像以上に強烈なストレスが脳にかかり続ける結果、
ホルモンバランスが崩れ、心臓を動かす筋肉の収縮がうまく働かなくなり
心筋梗塞や狭心症を起こし死に至る。
感覚遮断に関しては、
心理実験として行われた現在では禁止されている実験で
視覚,聴覚,平衡感覚等の感覚に対する光,音,温度,重力等の刺激を長時間人工的に遮断した状態では
3日と耐えられるものがいなかったという実験があった。
【クラッシュ症候群】
これも災害など瓦礫の下敷きになるなどで身体の一部、
特に四肢が長時間圧迫を受けることで筋肉が損傷し組織の一部が壊死する。
その後、救出され圧迫された状態から解放されると、
壊死した筋細胞からカリウム、ミオグロビン、乳酸など(血中に入ると毒性が高い)が
一気に血液中流れ出すことで起こる。
意識の混濁、チアノーゼ、失禁などの症状や
高カリウムにより心室細動、心停止などの急性心不全が引き起こされたり、
一命をとりとめ、症状が特になくても腎臓にダメージを受けていて腎不全になり死に至ることもある。
クラッシュ症候群に関しては72時間とかではなく
2時間くらいの圧迫で起こり得る症状なので注意。
結局72時間とは?
災害救助でいわれる72時間リミット説というのは人間が水なしで生きられる限界であるが
災害が起こると、水があったとしても、そのほかの外部要因で死に至る可能性も高い
水が適切に取れる状況であったとしても、
密閉空間に閉じ込められ呼吸ができなければ死んでしまうし、
日本の夏場であれば、暑さによって、熱中症などの危険もあるし
逆に冬場は低体温症によっても生存が脅かされることになる。
夏場といえども、朝の冷え込みや雨風の影響を受ける可能性だってある。
通常では考えられないような状況で72時間を生き延びて生還した例を見ると
呼吸ができることと
水が得られること
大怪我をしていない
体温が保てた
という共通点がある。
というわけで、防災用のグッズを揃えたり、災害時の備えを準備する際には
災害時にこの4点を維持できる環境を作れるグッズを揃えるようにしようよ思う。
とりあえずは備蓄保存水は必須ってことだなぁ。
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