【本日の名言】「怒りは短き狂気なり」とはローマ帝政初期の詩人ホラティウスによる言葉だが、その意味・解釈・教訓とは?
アリストテレスとともに後世の文学に大きな影響を及ぼしたといわれるホラティウスとはどんな人物?
目次
【本日の名言】「怒りは短き狂気なり」の意味・解釈・教訓とは?
この言葉の出典は紀元前1世紀のローマ時代初期に生きた詩人・ホラティウスによる『諷刺詩(ふうしし)』より
「怒りは短かき狂気なり」には下記のように続きがある
怒りは短き狂気なり
汝が怒りを制さざれば
怒りが汝を制せん
読み方:いかりは みじかき きょうきなり
なんじが いかりを せいさざれば
いかりが なんじを せいせん
訳によって多少表現が異なるが
この言葉「怒りは短き狂気なり」の意味とは、
怒りは一時(いっとき)の狂気である。
あなたがその怒りを制することが叶わないならば
狂気があなたを制してしまうだろう。
自分自身の怒りの感情を抑え、コントロールすることができないのであれば
狂気(正常な精神状態ではない自分)によってあなたが乗っ取られてしまうだろう
怒りという一種の狂気によってあなたが押さえられてしまうことになる。
「怒りは短き狂気なり」から得られる教訓とは・・・
人間誰しも生きていれば何かに憤り、怒ったり、腹が立つこともあるだろう。
しかし、「怒り」を感じた時には怒りという感情に身を任せてしまうことは大変危険である
それは狂気となり、狂気という正常ではない精神状態に心身を乗っ取られてしまうことにつながる
一方で、古代ギリシア時代においては、「狂気」というものが「創造」と密接な関係があると重視されていた。
アテネの哲学者プラトンにいたっては、狂気を「神が授けたなかで最大の良きもの」であるとまで言っている。
狂気こそが天才の創造の秘密を握るという・・・・
このような怒りこそが狂気の天才の創造の源という説もあるが・・・
一般人的には「怒りの感情に任せて行動することは狂気の沙汰である」といったところだろうか。
怒りや憤りといった負の感情に支配された状態で行動することは、多くの場合においてあまり良い結果を生まないということだけは経験的にもよくわかる。
なるべく怒らずに生きたいものだ・・・
ホラティウスの人生に響くその他の名言
「一歩を踏み出すことはもう半分は成し遂げたことと同じである」
「人生の大部分の問題は期待によって起こる」
「どの視点から見ても美しいものはない」
「絶望してはならぬ」
「賢者となりて憤怒するよりも、癇癪痴愚を装うがよし」
ホラティウスとはどんな人物?何をした人?
ホラティウス(Horace)
Quintus Horatius Flaccus(クイントゥス・ホラーティウス・フラックス)
ホラティウスはBC(紀元前)65誕生〜BC8年没
ローマの叙情・風刺詩人
南イタリアのウェヌシア出身、アテーナイに留学し、学問を習得し、カエサル暗殺によって勃発した、暗殺者ブルートゥスの率いた共和派に加わり士官として戦うが、敗戦を喫した、この敗戦の経験によって詩作をはじめたとされる。マイケナスの文人(文人とは学問や芸術といった文事に携わる人のこと)サークルに属し、アウグストゥス帝に特別に気に入られて可愛がられていたとされる。
ラテン文学の黄金期をもたらしたウェルギリスと並んで称されることも多く諷刺詩で特に有名。
ホラティウスの詩作品は技巧的、知的で、都会的なユーモアとセンスに加え
人間の俗物性を風刺したり、文明批評をするなど人間味にもあふれている
諷刺・風刺(ふうし)とは、遠回しに社会や人間の欠陥や罪悪などについて批判をしたり
それとなくあてこすること。皮肉ること。
その批判や非難を嘲笑的に言い表すことをいう。「風刺する」ことを英語ではsatirize(サティライズ)という動詞を使う。
ホラティウスに関する本
抒情詩集『歌章』はホラティウスの詩作の頂点とも言える作品集であり
恋愛・友情・酒・宴・自然・哲学・理想から政治に至る様々なテーマを歌っている
『書簡詩』『詩論』『風刺詩』は韻文体の随筆集となっている
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